ゴッゴファーザーで見逃したくないシーンといえば、ラストしかもエンディングの曲がながれる間際のシーン(個人的に)。
ケイ・コルレオーネのなんともいえないひきつったような表情のシーン。
そういった表情になるにはわけがある。世界の違いを実感してしまった、そこにつきるとおもう。ケイ・コルレオーネは、ゴッドファーザーにおいて二人目の主人公マイケル・コルレオーネの妻。
ゴッドファーザーというのは、このなかではマフィアのボスの敬称であり、本来はカトリックの洗礼の名付け親のことをさすようだ。
マイケルも成り行きとはいわないが、コルレオーネファミリーのボスとなる。もともとマフィアの家業を継ぐつもりがまったくなく、当時恋人だったケイもマイケルはマフィアになるとは夢にもおもってなかったことだったろう。マイケルには兄が二人おり、長男のソニーはかっとなる正確故に敵に殺害され、次男のフレドはボスになる気質がゼロで、消去法というか実はもっともボスの適正があったのがマイケルであった。
ボスになった頃はまだ、マイケルの父親ビトー・コルレオーネもまだ健在であり(このころはすでに引退しマイケルにボスを譲っていた)ビトーについていた子分たちはマイケルのことをまだ認めてはいない感じがぷんぷんとし、伺いをたてるのもマイケルではなくビトーにたてるしまつ。
ゴッドファーザーというか、マフィア・ヤクザ映画になくてはならないものそれが抗争であり、この抗争によって勝利をおさめたものが敬意を表されるようで、マイケルも抗争に勝ち結果皆から敬意と畏怖の念を表されることとなる。
映画のクライマックスの抗争は、マイケルの妹のコニーの子供の洗礼式と同時進行で行われ、マイケルは家族とともにコニーの子供の名付け親となり教会にいた。その間別の場所では抗争の主要人物の殺害が行われていた。
この殺害の締めくくりとして、コニーの夫カルロの殺害も行われた(マイケルの兄ソニー殺害の関係者として)。
夫を殺されたコニーは取り乱し、ケイに向かって
「アンタの夫は人殺し」
といってマイケルの子分たちに別室に連れて行かれる。
ケイも夫を信じているので、まさかそんなことをするとはおもわないがすくなからず疑いをもちマイケルに問うも
「仕事に口をだすな」
ケイもひきさがらない。
「ひとつだけ質問を許す」(たしかこんな問答だった
「カルロを殺したの?」
の質問に
「殺していない」
と答え二人は抱きしめあいケイは胸をなでおろすが、マイケルは3人の子分たちに
「ドン・コルレーネ」と手の甲に口付けの敬意をされ、それを別室からみていたケイをさえぎるように、子分の一人が扉を閉め、ケイのひきつった表情で幕を閉じる。
雰囲気でケイは世界の違いを知ったのだとおもうが、実際ケイは本当のことはこの段階では知っていない。夫を疑いつつも放たれた言葉を信じるしかない。
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