広能昌三(菅原文太)の引退でこの物語は幕をとじる。
仁義なき戦いから、広島死闘篇、代理戦争、頂上作戦、と続き完結篇でこのシリーズは幕をとじる(このあと新・仁義なき戦い~と新しい物語はつづきく)。
完結篇で広能は途中から登場する。前作頂上作戦において逮捕され刑務所送りになっていた。
物語の冒頭は広能が過去所属していた(現在は敵対している)山村組が政治結社天政会に改めるところから始まる。政治結社への改めは意図があってのことらしく、市民社会からの目をそらすことが目的であったようだ。
仁義なき戦いにおいて、通常の物語におけるヒーローのような存在はなく、淡々と広能や他の登場人物たちの様子を描いている。
天政会の会長武田明(小林旭)は、とても合理的な考え方をする人物で政治結社への改めは彼の考えのようらしい。抗争においても、敵だからといって殺すのではなく、必要だから殺す(彼らにとっては仕事という考えらしい)。他の親分たちが敵の親分の首をとるといきまいても
「頭がなくっちゃ話し合いもなんもできん」
といって抗争の終結を常に考えている(抗争には莫大な資金が必要になり、勝っても負けても損をする)。
このほか立身出世をもとめるものや、現状維持につとめるもの、そのほとんどが利己主義な考え方をするものでいっぱいである。
武田という人物は広能と似ており(物語的な意味で)、利己主義にはみえないところが。広能は自分の信念(仁義というのかなぁ、もしかしたら信念も端からみたら利己的なのかなぁ)を貫き、武田は組織全体の維持を考えている。
暴力団という組織をモチーフにした映画ではあるが、これを別の組織におきかえてもおそらくおなじような人間関係の物語ができあがるのではないだろうか。
血が苦手な方は一度深呼吸をしてから観るといいかも(自分は始めてみた時貧血をおこしたから)。
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